2020年コロナパンデミックによって、川での水難事故が上昇し、海での水難事故は下降

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プレジャーボートでの事故

去年1年間に日本の海域で起きた海難事故は、プレジャーボートでの事故が前の年に比べて1割余り増えた一方、遊泳中の事故は2割ほど減少しました。海上保安庁は、新型コロナウイルスの感染拡大でレジャーの傾向が変化したことが理由にあると分析しています。海上保安庁によると、去年1年間に日本の海域で事故を起こした船は1930隻で、前の年からほぼ横ばいでした。内訳を見ると変化が見られ、事故の大半を占めるプレジャーボートは1割余り増加し、漁船と貨物船、タンカーはそれぞれ1割から2割ほど減少しました。また、遊泳中に事故に遭ったのは123人で、前の年から2割余り減少しました。海上保安庁は、新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が停滞したことや、いわゆる「3密」を避けられるレジャーとしてプレジャーボートの利用が増えたこと、全国の海水浴場の4割が開設されなかったことが背景にあると分析しています。また、夏場にエンジントラブルを起こしたプレジャーボートでは、8割が定期的な点検や整備をしていなかったこともわかり、海上保安庁は船のレジャーに出かける前には、点検を徹底するよう呼びかけています。

 

学校での水泳授業

学校の体育で水泳の授業が取り入れられ、水泳授業の目的は、水難事故から命を守る教育としてスタートしたと言われています。近年の水泳授業は、泳法が中心となり、そして昨今は、コロナ禍でプール授業さえもままならない状況になっています。小学校の学習指導要領の水泳に「安全確保につながる運動」が明記されたので(高学年)、本来であれば、2020年より「安全確保につながる運動」の授業が本格実施されるはずでした。しかしながらコロナ禍により、多くの学校で水泳が行われず、実質的には今年度からの運用になることが予想されています。また、中学校の学習指導要領における「水泳の事故防止に関する心得」についても実践的な理解が重要ですが、どこまでプール授業が実施できるか、地域によっては見通しが不透明となっています。つまり、コロナ禍で、子どもたちに、水難事故から身を守る知恵を伝授する機会が失われているかもしれないことが心配されています。親も子も基本的な知識がないまま水辺に行っていたりしないでしょうか?

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